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論考 2026-08-13

Claude が生成したテキストに電子透かしが入った。でも、ソースコードにはたぶん残らない

用紙に織り込まれた微かな光の点が、ローラーを通った先で消えている様子のイラスト

Claude が 2026 年 8 月から、生成テキストへ不可視の電子透かしを入れ始めました。EU AI Act 第 50 条への対応です。ただ一次情報を追っていくと、透かしが残るのはソースコードではなく、その周りに書いた文章のほうだと見えてきます。他ベンダーの動向まで含めて、エンジニアの手元で何を変えるかを整理しました。

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記事の要約

記事全体の要約(AI 生成のインフォグラフィック)。

この記事のテーマ

テキストの電子透かしは、生成の瞬間にトークンを選ぶ確率分布をわずかに偏らせることで成り立っています。言い換えの余地、つまりエントロピーが透かしの入れ物になる仕掛けなので、同じ意味の表現がいくらでもある散文ではよく効きます。逆に、識別子が宣言と一致していなければ動かず構文も固いソースコードでは、入れられる信号がそもそも足りません。そのうえフォーマッタ・リンタ・リファクタリングツールが、保存のたびに残っていた信号を上塗りしていきます。

結果として起きるのが、この記事でいちばん伝えたい非対称です。プルリクエストの本文は検出できるのに、diff は検出できない。AI 利用の痕跡は成果物ではなく、設計書やコミットメッセージ、障害報告といった「その周りの文章」に残ります。加えて、検出されたという事実は「Claude が処理した」までしか意味せず、校正しただけの人間の文章にも同じ印が付きます。透かしが検出されないことも AI 未使用の証明にはならないので、両方向に弱い道具として扱うのが安全です。記事後半では、EU AI Act 第 50 条と Code of Practice の中身、Google の SynthID を含む他ベンダーの足並みの違い、そして手元のログ運用を一次情報の URL 付きでたどっています。

散文とソースコードで電子透かしがどの工程まで残るかを比べた表

コピー&ペーストまでは残るのに、フォーマッタや一括リネーム、別の AI での言い換えのどこかで落ちる。

主要 AI ベンダーのテキスト電子透かし対応状況をまとめた表

画像と音声はほぼ横並びで前進しているのに、テキストだけ各社の判断が割れている。