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エッセイ 2026-09-24

HOI4しか知らなかった私が、現代戦を調べて驚いたこと

古い紙の作戦地図と木の駒、無線機と双眼鏡が置かれた左半分と、世界地図が光るタブレットや衛星の模型、小さなドローンが置かれた右半分に分かれた机のヘッダー画像

Hearts of Iron IV(HOI4)では、戦争は「宣戦布告」のボタンから始まります。そのゲームしか知らなかった自分が、いまの戦争を公開情報で調べてみたら、史実の第二次世界大戦も宣戦布告なしで始まっていました。現代戦は、平時とも有事とも言えない「グレーゾーン」から始まり、前線の外まで戦場が広がった「システム戦」になっている。その違いを確かめていった学習メモです。

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左に第二次世界大戦型の戦場、右に衛星やドローンやデータに囲まれた現代戦の景色を並べ、宣戦布告より前から情報、経済、サイバーで揺れることを示した全体像

HOI4 で見慣れた景色と、いまの戦場。同じ「戦争」でも、見えているものがだいぶ違います。

第二次世界大戦も、宣戦布告から始まっていなかった

1939 年 9 月 1 日、ドイツ軍は宣戦布告のないままポーランドへ侵攻し、英仏がドイツに宣戦布告したのは 2 日後でした。戦後は国連憲章が武力の行使を原則として禁じ、米国の議会の正式な宣戦布告も 1942 年が最後です。2022 年には、ロシアがウクライナ東部での「特別軍事作戦」の開始を発表しました。

1939 年 9 月 1 日のポーランド侵攻、9 月 3 日の英仏の宣戦布告、1942 年の米議会の最後の宣戦布告、1945 年の国連憲章署名、2022 年のロシアの特別軍事作戦、いまのグレーゾーンを並べたタイムライン

HOI4 では宣戦布告が戦争の入口。史実では、最初の一撃のほうが先でした。

平時でも有事でもない「グレーゾーン」

令和 7 年版の防衛白書は、グレーゾーン事態を「純然たる平時でも有事でもない幅広い状況」と説明しています。2024 年のクリスマスにフィンランド湾で海底ケーブルが傷ついた件は、タンカーの錨が疑われて乗組員が起訴されましたが、2026 年 8 月の時点でも、わざとだったのかどうかについての裁判所の判断はまだ出ていません。

平時に見える状態、小さな異常、事故か攻撃か分からない事案、相手の反応の見極め、報復と対抗措置、気づけば戦争状態、と 6 段で進む流れと、HOI4 との感覚の違いを示した図

どの段にも「ここから戦争」という札は立っていません。

並べてみたら、戦場の範囲がまるで違った

開戦の形、戦場、主兵器、情報、兵站、経済、市民生活の 7 項目で第二次世界大戦と現代戦を比べた表

いちばん違ったのは戦場の広さでした。宇宙、サイバー空間、情報空間まで戦場になり、兵站は「モノの補給」から「システムの維持」へ広がっています。

2 つの事例で見る現代戦

ロシアとウクライナの戦争では、英国のシンクタンク RUSI が、損傷したり破壊されたりしたロシア側の装備の 60〜70% を戦術ドローンによるものとしています。一方で砲兵と塹壕の重みは消えていません。IEA によると、ウクライナの発電能力は攻撃で戦争前の 3 分の 1 ほどまで落ちました。

ロシアとウクライナの戦争と、米国と中東情勢の 2 つの事例から、ドローン、砲兵と塹壕、電力、衛星と OSINT、ミサイルと防空、海上交通路、エネルギー価格、同盟国の負担をまとめた図

最新技術と泥くさい地上戦が同時にあり、地域の紛争が世界の経済にまで波及していきます。

ホルムズ海峡が世界の石油消費の約 20% を運ぶこと、2026 年に通航が 1 日 100 隻超から約 5 隻に落ちたこと、日本の原油の 90% 以上が中東頼みであることを並べた図

遠い海の話が、エネルギーの値段を通じて、戦場から遠い人の暮らしにも届きます。

記事に書いたこと

note 版では、HOI4 の開戦の手順、X にこぼした独り言、宣戦布告の歴史、グレーゾーンで起きることの一覧、第二次世界大戦と現代戦の 6 項目の比較、2 つの事例の中身、現代戦を「システム戦」と見たときの理解の書き換わりまでを書いています。

調べるときに読んだ資料

この記事は、公開情報をもとに現代戦の特徴を学習・整理した個人メモです。特定の国や地域の将来の行動を断定するものではありません。ヘッダー画像と、イラスト入りの図解(4 枚)は AI(画像生成)で作成しています。