

病院で少額のカード決済を断られた話に、「病院は赤字なのだから、手数料に配慮してほしい」という趣旨の返信が届きました。そこから、医療に公共性があることと、特定の医療法人の経営を社会が支えることは、どこでつながるのか考えました。
憲法の「公共の福祉」は権利や自由の調整に関わる言葉で、特定事業者の救済そのものを意味するわけではありません。一方、25条は生存権や、社会保障・公衆衛生の向上に努める国の役割を定めています。医療を支える話と、個々の法人を存続させる判断の間には、考える段階があります。

医療法人は株式会社と同じ意味の営利法人ではなく、医療法で剰余金の配当が禁止されています。ただし、診療を続けるための収益を出すことまで否定されていません。人件費や建物、機器の費用がかかるのは非営利でも同じです。
保険診療では診療報酬の点数や計算方法が制度で決まります。費用が増えたからといって、普通の商店のように自由に価格を変えられるわけではありません。「民間だからすべて自己責任」という一言では足りないと感じました。
近隣の病院が患者を受け入れられる地域と、唯一の救急拠点を失えば搬送が難しくなる地域では、同じ赤字でも判断が変わります。必要な機能を守る方法には、今の法人を支えるほか、統合や診療機能の引き継ぎも考えられます。
支援を考える材料として、医療の必要性、代わりの有無、赤字の原因、支援目的や金額・期間を説明できるかを整理しました。これは法定の一律審査基準ではなく、自分なりの考えです。支援するにも断るにも、地域に必要な医療が残るかを確かめたいです。
JCBやVisaは、加盟店がカードの利用金額に独自の制限を設けることについて、一般的な禁止の案内をしています。ただし、訪れた病院の個別契約や適用条件は確認しておらず、契約違反と断定するものではありません。
カードを導入するかという判断と、導入した契約を守るかは別です。医療を市場原理だけで片づけず、同時に経営上の事情だけで契約の話を終わらせない。医療の機能、法人の経営、決済のルールを分けて考えたいと思います。詳しい経緯と法令・公式案内は全文に掲載しています。
詳しい経緯と出典は全文にまとめています。